大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)3122号 判決

被告人 徳原秀雄

〔抄 録〕

ところで、公務所の印章と記号とを区別する標準は、その使用の目的物の如何にあるもので、文書に押捺して証明の用に供するものは公務所の印章であり、産物、商品等に押捺するものは、その記号であつて、全国選挙管理委員会の検印は、同委員会が選挙運動のために使用する文書であるポスターが法定の枚数内であり、規格の制限に違反していないことを確認した上、これを押捺するものであるから刑法第一六五条第一項にいわゆる公務所の印章に該当するものと解すべきこと最高裁判所の判例とするところであつて(最高裁判所昭和二九年(あ)第二〇九〇号昭和三〇年一月一一日第三小法廷判決最高裁判所判例集第九巻第一号一六五頁以下参照)、当裁判所も亦これに従う。

然るに、原判決によれば、原判示事実の如く、行使の目的を以て選挙運動用ポスターに押捺する栃木県選挙管理委員会の検印の偽造を以て公務所である同委員会の記号を偽造しと判示認定し、公務所の印章偽造としての刑法第一六五条第一項に問擬することなく、記号偽造としての同法第一六六条第一項に問擬していること判文上極めて明白である。

然し乍ら、右は正しく事実誤認の違法あると共に法定の適用を誤つたものであり、右の違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、此の点論旨はその理由があるものと謂うべく、原判決は到底破棄を免れない。

(工藤 草間 渡辺好)

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